毛をたずねて ~ 刷毛談義 ~あとがき
あとがきあとがき

我が国における「刷毛」は江戸時代末までの二千年以上にわたり、前代のありかたを受け継ぐのみで特別の変化も無くつくり続けられてきたが、幕末、黒船の来航を契機に「刷毛」と「ブラシ」業界は飛躍的な進歩発展の途をたどることになった。
明治期以降、日本の急速な工業化に伴い、刷毛・ブラシの需要と用途が飛躍的に増加するが、ブラシ工業界はこの要求に応ずべく研鑽を深めてきた。このため、今日において日本のブラシ製作の研究と技術は世界に比べて全く見劣りしない水準にまで達しているのである。(しかし、ブラシ工業の発展は、古より幕末まで黙々と伝統を守り継いで来た先人の偉業が母体となり基礎ともなっている事実を銘記すべきである。)
「ブラシ」も「刷毛」も、人間生活の身近であらゆるものに働いているが、家庭用のもの以外は陰の機能であるため、ブラシへの一般の関心は極めて希薄となっている。
しかし、各種工業と「ブラシ刷毛」との関係や機能の解明によって、その存在意義が理解されれば、ブラシも刷毛も、より高く評価されることになるだろう。
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あとがき(約657KB)