毛をたずねて ~ 刷毛談義 ~第一編 人形刷毛
[第12回] 人形刷毛

最初粗末な素材によって作られた人形は、文化の発展につれて進歩し、今日一般に愛玩鑑賞される人形へと発達したが、その巧緻な技法は能面の影響を多分にうけているとされる。
江戸初期、人形師に転職した能面師により人形の頭を造形する作法が発達し、顔の部分だけを専門に作る頭師があらわれ、日本人形独特の肌色表現の塗料として頭部に胡粉を用いる技法が完成した。
胡粉塗りには人形刷毛が用いられるが、それゆえ人形刷毛は江戸初期から使われたものと考えられる。
人形刷毛には極上質の熊毛を用い、うすめに作られるが、人形塗りには時に際どい毛先の必要があるので、毛先の仕上げをふのりで固め、毛先の薄くなるように癖付けし、三味線糸で綴じるのが通例である。
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[第12回] 人形刷毛(約2.3MB)